「ファーストコールを受ける存在へ」―銀行出身税理士が描く中小企業支援の未来― 代表 細川直哉(税理士法人リアドリ)

税理士法人リアドリ 代表 細川 直哉

北海道の農村地帯で育ち、父親の測量事業を支える税理士の姿に憧れを抱く。
大学で税理士科目に合格後、証券会社、銀行での金融経験を積み、中小企業診断士、CFPなど多様な資格を取得。
現在は税理士として、単なる税務処理を超えた経営支援を実践し、「困った時に一番最初に連絡される存在」を目指している。


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税理士を目指したきっかけをお聞かせください

私が税理士を目指したきっかけは、幼少期の原体験にあります。私は北海道の本当に田舎、人よりも牛が多いような農村地帯で育ちました。学年でも50人程度しかいない、今では一クラスしかないような小さな町です。

その中で父親が測量の事業をやっていて、困った時に助けてくれる存在がいました。小さいながらも、それが税理士だということを何となく理解していました。父親が相談している様子をよく見ていたんです。

父親の事務所で子供ながらに遊んでいた時、横で相談をしている人がいました。普段、作業着で仕事をしている父親の業界とは違って、スーツをビシッと着た人がいる。「なんか違う雰囲気の人だな」と感じていて、それが税理士でした。結構いろんなことを相談しているんだろうなと子供心に思っていました。

そういう中小企業や個人事業主の方をサポートしていきたいという思いが、一番最初のきっかけです。

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多様なキャリアと資格がどのように活きているかお聞かせください

大学卒業後は会計事務所で働きましたが、決算書や申告書の説明だけではお客様は本当の意味で喜んでくれないことに気づきました。月次決算や財務分析の指標をいろいろ調べて提案してみても、なかなか響かない。現場や経営のリアルを知らなければ、本当に役立つアドバイスはできないと痛感しました。

税理士の仕事はどうしても後処理が多いので、「売上は上がっていますか、下がっていますか」という数字の話になりがちです。でも、向こうだって頑張って売上を上げようと思っているのに上がらないから困っているわけです。

「どうやったら売上が上がるのか」「どうやったら人の採用ができるのか」、そういうお手伝いをしていきたいと思いました。その中で特に重要だと感じたのが金融の知識です。融資や資金繰りは非常に大切ですし、コンサルティング的な部分も勉強したいと思いました。

そこで証券会社に転職し、大きな会社向けの財務や経営アドバイスをする部署を経験した後、銀行に移りました。銀行でも比較的大きな企業に対してのアドバイス業務を担当していましたが、もっと小さな会社、銀行がお手伝いしないような小さな会社をサポートしたいという思いが強くなりました。

銀行にいると収益がミッションとして強く、お手伝いしてあげた方がいい企業でも、銀行の収益基準に合わないとお断りしてしまうケースがたくさんありました。それなら銀行を辞めて、税理士として企業側に立てば、もっとお手伝いできると思い、転身を決意しました。

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やりがいについてお聞かせください

直近で印象的だったのは、飲食店を始めたいという方のサポートです。なかなか融資も難しく、うまくいかなかった中で当事務所に来ていただき、うまく融資が通って飲食店を開業できるようになりました。困っている方がうまくビジネスを立ち上げられたというのは、すごく嬉しいですね。

また、M&Aファンドのお手伝いもしています。会社買収でロールアップを行うファンドがあり、そこのサポートをしています。買収される企業にとってはすごく不安で、投資ファンドが買収すると「首を切られるんじゃないか」「給与を下げられるんじゃないか」と思われがちです。

そういう不安を解消し、様々なツールを導入して業務を効率化したり、数字を見える化して業績を向上させたりするお手伝いをしています。もともとオーナー企業で社長の顔色を見ながら働いていた方々が、システム化によって仕事らしい仕事をするようになる。そういう地方の中小企業で働く方々、特に現場で働く方が本当に喜んでくれる仕事だなと最近感じています。

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資格取得について教えてください

税理士試験については、簿記と財務諸表論は大学生の時に合格していました。社会人になって一度税理士業界を離れたのですが、やはり戻りたいと思い、大学院に進学しました。

税法の免除を受けられる大学院で2科目免除を受けつつ、会社で昼間働きながら夜大学院に通い、その間に消費税法を受験して合格しました。

他の資格については、証券会社から銀行に転職した1年目に消費税の勉強をしました。証券会社がすごく忙しかったので、銀行がすごく暇に感じて、そこで勉強を始めました。銀行1年目で消費税、2年目で中小企業診断士、その後CFPを1年か2年かけて取得し、大学院卒業後、3年目で辞めたという感じです。

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事務所運営の課題について教えてください

事務所の課題で一番大きいのは採用と教育、特に採用の方が非常に難しいと感じています。

当事務所は良くも悪くも全部を一人でやっていくような事務所で、あまり縦割りをしていません。税務業務があって、融資の支援があって、行政書士業務で許認可申請があったりと、いろいろな業務をやっています。お客様を担当している人が全部やっていく形なので、ある程度それに対応できる人を採用していきたいのですが、なかなか当事務所にマッチする人がいないというのが現状です。

人数を集めた方がマッチする方が多くなると思うので、数をもっと増やしていきたい一方で、増えれば増えるほど、事務所内でその対応をしなければいけません。今日の午前中も会社説明会をやっていましたが、その回数もすごく増えていて、私も対応メンバーも大変になっています。

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税理士事務所で活躍できる働き方について教えてください

資格があった方がいいかもしれませんが、それをマストにはしていません。仕事に対してチャレンジできる人、意欲を持ってやっていけるかどうかをすごく重視しています。

基本的には法律やルールがあることしかやらないので、新しい商品を開発して売ろうということは基本的にありません。調べれば分かる範囲がほとんどです。そこをちゃんと調べられるか、いろいろ多面的に物事を考えながら、「この面だったらこれは正しいけれど、違う角度から見るとちょっと違うよね」という違和感を持てるかどうかが非常に重要になってきます。

そういうところを重視しているので、いろんなことにチャレンジしたり、物事をいろんな面で見られる人だったら活躍できると思います。

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将来のビジョンについて教えてください

ミッション・ビジョン・バリューについては、あえて今は作っていません。本当はあった方がいいというのは十分理解していますが、もう少し規模ができあがってきて、当事務所の形ができあがったタイミングで作っていきたいと思っています。

今は目先の、困っているお客様に対してどんなサポートができるか、一人一人の成長がちゃんと感じられるかどうかを重視しています。人数が20人、30人ぐらいになってきたら、自分の目が届かないメンバーが増えてきてしまうので、そういう時には軸となるミッション・ビジョン・バリューがあった方がいいと思っています。

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若い世代へのメッセージをお願いします

よく「AIでなくなる仕事ランキング」で税理士が上位に来ますが、申告書を作ったり決算書を作るだけだと、確実になくなっていくと思います。この業界に入った25年前と今では全然違いますし、今後20年経てばまた変わっていくでしょう。

しかし、コンサルティング、つまり人間関係の部分で相談を受けられる人というのは、やっぱり人間じゃないとできません。困った時に相談される相手になることが重要です。

当事務所でよくスタッフに言うのは「ファーストコールを受けられる関係を作ってください」ということです。ファーストコールというのは、困った時に一番最初に連絡する人のことです。

当事務所では税務以外のことも相談に乗ったりしています。例えば人の採用もそうかもしれませんし、いろんなことで困ったら一番最初に連絡を受けられる関係を作りましょうと伝えています。もちろん当事務所でできないことがたくさんあるので、そこは専門家をご紹介したり、紹介先がなかったらネットで調べるなど、いろいろな方法がありますが、その一番最初の関係性を築けるところが大事だと思っています。

そういう関係性はなくならないと思うので、そういうところを目指していける人がこの業界にいるといいなと思います。

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本日は貴重なお話をありがとうございました!

 


企業情報
・事務所名 税理士法人リアドリ
・住 所 千葉県市川市八幡2丁目5-20イーストビル芝田6階
・T E L 047-316-1258

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