変革への挑戦。創業100周年を迎えた老舗グループが、業務可視化に取り組むことになった理由とは?

株式会社ミクニエアロスペース

株式会社ミクニエアロスペースは、航空宇宙産業向けの高品質な材料や部品を提供する企業です。創業100周年を迎えた株式会社ミクニ(東証スタンダード市場)より新設されました。最新の技術を駆使し、安全で信頼性の高い製品を提供しています。

設立以来、大手重工業の企業や官公庁と取引を行ってきました。その技術力で、高い評価を得ており、これからも航空宇宙産業をリードする企業です。

今回は、株式会社ミクニエアロスペース様が活用されているみえるクラウド®ログについて、導入のきっかけや活用事例を詳しくお伺いしました。

創業100周年ミクニグループ商社部門として事業を展開

ーまず御社の事業について教えてください。

当社は、創業100周年を迎えた株式会社ミクニ(東証スタンダード市場)より新設分割された輸入商社です。航空機部品を海外、主にアメリカから輸入して、日本の大手重工業の企業様に販売をしています。従業員の業務としては、輸入貿易業務と営業、それに伴う営業事務が大半を占めています。あとは数名のバックオフィスという体制で運営しています。貿易業務は仕入れ先が海外ですから、英語でのコミュニケーションを多用します。

株式会社ミクニエアロスペース

ー今回、みえるクラウド®ログを導入して、業務を可視化しようと思い立ったきっかけを教えてください。どのような問題があったのでしょうか?

業務で蓄積されたデータの活用は競合優位性を維持するために非常に重要だと位置づけているのですが、輸入販売業務にすぐに活かせるようなデータが社内に蓄積されていなかった。「それを補うために、社員のみんなは様々なツール使ってギャップを埋めているのではないか」という仮説がありました。まずはそれを明らかにして、どのような業務を行っているのかを見えるようにしたいという事を考えました。業務を見える化したうえでしっかりと分析を行い、フィードバックを元に「社内のシステムを使いやすいように更新していく」という考え方で、まずは土台となるPCログ管理ツールを導入することになりました。

10社を比較して選んだログ管理ツール、導入の決め手は月次レポート

ーログ管理ツールはどのくらい比較検討されましたか?

そうですね。10社ぐらい比較検討しました。最終的に私が見たい業務データがしっかりと見えるサービスは、みえるクラウド®ログを含めて3社ほどに絞られました。寧ろその3社くらいしか、ちゃんと業務内容が見えるサービスが無いという事に気づきました。

ー10社ですか、それはかなり検討されましたね。決め手は何だったのでしょうか?

理由として一番大きかったのは「月次レポートの提供」ですね。正直、このツールを使って、毎日毎日業務の状況を細かく見ることは想定していませんでした。なので、手軽に分かりやすくアウトプットが得られるというのが非常に大きかったです。

管理職が集まる際にみんなでレポートを見て、まずい働き方をしている人がいないかどうかを簡単に確認することができるので非常に助かっています。何かおかしいという違和感を感じた際に、業務詳細まで見に行くという、最小限の操作で済んでいます。

株式会社ミクニエアロスペース

ーありがとうございます。ちなみにその最初に入れてみたときに出てきたデータを見て、社員のみなさんの働き方は想像通りだったか、全然想像と違う業務やアプリケーションを使っておられたか、どちらでしたか?

基本的には想定の範囲内ではありました。ただ、一部の管理職は在宅勤務が多い人に対して不安があったのは事実でして、「ちゃんと働いてくれている」っていう安心感が大きかったですね。在宅勤務ではどうしても業務状況が見えなくなってしまう状況でしたが、今では働く側もちゃんと見てもらって安心、という状態が作れています。

アウトプット重視からの転換、インプットがカギ

ーみえるクラウドの導入以前はどのように業務状況を把握していたのですか?

基本的にはアウトプットを見てマネジメントするような感じでした。ただチーム全体が「アウトプットさえすればいいんだ」、「アウトプットさえ出していれば改善は要らないんだ」というマインドになっていたのは今思うと強く感じるところです。私が思うに、アウトプットを改善するためには必ずインプットを改善する必要があると思うのです。そこが全く見えていない状況では、打ち手が見えませんからね。なのでまずはインプットを可視化する業務の改善につながると考えました。

ーインプットを可視化し、インプットを改善することでアウトプットを改善する、このプロセスにはとても共感します。

インプットの環境を変えていかない事には、優秀な人材も残らないと考えています。今の時代に、非効率な業務プロセスを長時間社員に強いることは、離職リスクにもなりますから、できるだけ成果に出しやすい環境を用意することが重要なのだと感じています。

フレックスタイム勤務へ!情報共有ツールも見直し、生産性が向上

ー導入後の具体的な変化について教えていただけますか。

はい、まずはフレックスタイム勤務制度の導入ができるようになりました。完全に自由というわけではありませんが、在宅勤務と併せて取り入れることで、皆さんかなり柔軟な働き方が実現できるようになりました。この中で評価に対して疑問に思ったことがあれば作業量も確認するというような、人事制度を公平に運用する中でも重要なツールになっています。

また、デジタライゼーションプロジェクトという社内の半数くらいが関わるプロジェクトがあり、そこではみえるクラウド®ログを起点に効果検証を行っています。様々な業務ツールを試してみようというプロジェクトで、既に19個のツールについて効果検証をしました。その中で効果の高かった10個のツールについては導入するに至っています。

みえるクラウド® ログ

※画像はミクニエアロスペース様のデータではありません

ーそれは非常に興味深い試みです。課題になっている業務に対して、デジタルツールでどの程度時間短縮できるのかを計測したという事ですね。

はい、例えば当社の貿易部門は情報共有にメールを利用したがる傾向がありました。しかし、メールでは個別の情報共有になりますし、見逃しなども発生します。そこで、積極的にTeamsなどの会議ツールで情報共有を行ったチームの方が、メールを利用しているメンバーよりも情報共有が効率的だというデータが得られました。

こういった変化がみられると、削減した時間を別の業務に充てられますし、日々の生産性を上げ、必要な情報共有をしておく事で長期休暇などにも出やすくなるなど、会社とwin-winな関係と築きやすくなると思います。また、そういった情報は人材採用の場面でも大いに利用できる、価値あるデータだと感じています。

ーありがとうございます。とはいえ導入時には、社員の皆さんから不安の声も出たと聞きましたが……・

正直に言うと当初は導入に反対の声もありましたね。ただ、当社は目的が明確でしたので、しっかりと説明を行うことで割とスムーズに導入できたのではないかと考えています。

フレックス勤務制度を導入することや、生産性のみえる化を通じた業務改善のための導入だという事をしっかりと全員に説明しました。

さらなる業務効率化へ向け、ITツール導入の挑戦は続く

ー今後みえるクラウド® ログに期待することを教えてください。

そうですね、現状で充分に見たいデータデータが取れていますし、当初分類されていなかった業務データもサポートの皆さんがすぐに対応してくれました。しいて言うならば、ダッシュボード上で「比較」ができるとよいと思いました。特定の社員同士の業務データの比較や、部署別の利用アプリケーション時間の比較などが1つの画面上でできるようになると、さらに便利になると思います。

ーありがとうございます。最後に、今後の業務改善の展望を教えてください。

私たちの業界も大きな変化の時を迎えています。その中で競合優位性を確保し、人的資本経営を推進していくためには、自分たちのこれまでのやり方を疑い、変化に順応していくことが非常に重要だと考えています。データが足りないなら、今からそれを作っていこうという発想も、非常にチャレンジングな取り組みです。みえるクラウド®ログを導入して半年ほど。まだまだ業務のIT化のために様々なアプリケーションを試して、生産性を改善していきたいです!

ー本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!

株式会社ミクニエアロスペース

創業100年を超えたミクニのグループ会社の、次なる100年に向けた新たな取り組みは、始まったばかりです。そんな株式会社ミクニエアロスペース様が活用しているみえるクラウド®ログが気になる方は、ぜひお気軽にお問合せください。

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