こんにちは!リモートワークリサーチ編集部です。多くの人が経験するうっかりミスのひとつ「タイムカードの押し忘れ」。しかしながら、勤怠管理は給与にも直結する重要項目です。
タイムカードの集計、給与計算の作業が滞るだけでなく、人事や総務担当者などの負担が増えてしまいます。そうは言っても、「押し忘れたのが悪いのだから、欠勤扱いで!」や「減給などのペナルティを課す」という対応では、労働基準法に違反する可能性があります。
また、従業員の労働時間を正しく把握できないということは、効率的な業務改善を行うことも難しくなります。
今回の記事では、従業員から打刻忘れの申告があった時、または勤怠管理中に発覚した場合の対処法から、未然に防ぐ方法について紹介します。さらに、タイムカードの打刻忘れ自体を発生させない方法として、勤怠管理システムの導入についても触れていきます。
業務内容自体を可視化する便利なツールも登場している昨今、打刻忘れのフォローから解放されるだけでなく、業務の効率化も叶うかもしれません。
ぜひ最後までお読みくださいませ。
目次
タイムカードの打刻忘れが発覚!どう対応すればいい?
まずは第一にすべきことは、「本人に直接確認すること」です。
勤務したにもかかわらずタイムカードを打ち忘れてしまった場合、その日に働いた分の給与が正しく反映されない事態に!トラブルに発展させないためにも、確実に本人からヒアリングをし、丁寧に処理することが大切です。
あくまでタイムカードの打刻は、従業員の勤務時間を把握するために存在する手段の一つであり、賃金の支払いにタイムカードの打刻が必須ということではありません。打刻忘れが発生しても、実際に勤務した時間の賃金は、正しく支払う義務があります。その日の出勤・退勤時刻の確認、打ち忘れてしまった理由や原因などを本人から直接ヒアリングし、お互いに不信感を残さないように注意を払いましょう。
タイムカードの打刻ミス…放置してしまうと?
従業員の労働時間が正確に計上されていない状態を、そのまま続けることは大きなリスクです。支払うべき賃金と実際の賃金が一致しないということは、後々従業員から給与を請求されるかもしれません。
就業規則で定められた賃金に未払いがあると、労働基準法に違反したことになります。労働基準監督署から指導を受けるだけでなく、労働審判や裁判などの法的手段が適応される可能性もあります。さらに、従業員の労働時間を正確に把握していないと、労働時間の上限規制に抵触する恐れも。
働き方改革関連法の成立に伴い改正された労働基準法では、時間外労働の上限は、原則⽉45時間、年360時間以内です。臨時的な特別措置もありますが、労働時間の管理は絶対!労働基準法に違反すると、最悪の場合「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。
労働時間の管理は会社側の責務です。たとえ従業員の打刻ミスが原因であっても、責任を免れることはないので、放置するようなことは厳禁です。
打刻忘れは仕方がない?対策をして未然に防ぐ!
打刻忘れのうっかりを全て防ぐことは難しいですが、それでも対策を施すことは大切です。
対策1 | タイムレコーダーを目立たせる
今すぐにできる対策としては、「目立つところにタイムレコーダー(打刻機)を設置する」ということです。普段はきちんと押している従業員も、繁忙期などつい忘れてしまうこともあるでしょう。
そんな時、視界の中にタイムレコーダーが入れば、「あっ!」と思い出せる可能性は高まります。実際、従業員用の出入り口付近に設置している事業所が大半だとは思いますが、周囲にものが溢れていては見落としの原因に。すっきりと整頓された状態を保つことは、これから業務をスタートする従業員の心にもいい影響を与えますね。
また、必要に応じて張り紙などで注意喚起をするのも効果的。始業前や退社時にトイレや更衣室を使用する従業員は多いので、そのような場所に掲示しておくのもオススメです。
対策2 | 勤怠管理の重要性を伝える
「タイムカードの打刻」や「勤怠管理の重要性」は、慌ただしい業務の中で軽視している従業員もいることでしょう。
勤怠管理は給与計算に関わるのはもちろん、長時間労働を防いだり、業務量の偏りチェックなど、業務の円滑化、従業員を守るための大切な情報になります。「タイムカードを打刻することも、大切な業務のひとつ」ということを従業員に伝え、再認識してもらうことで、打刻忘れを防ぐことにつながります。
対策3 | ルール化する!しかし、ペナルティは慎重に
従業員同士で、「正確に打刻が行われたか」を確認するという方法もあります。課内やチーム内でその日の担当を決め確認しあうことで、打刻忘れの頻度は抑えられるかもしれません。
しかしながら、余計な業務が増えてしまっては本末転倒。また、何度も打刻を忘れる従業員に対しては「始末書を書かせる」ことが有効な場合もありますが、これも本人の意識が変わらなければ意味がありません。
さらに、始末書を強制的に書かせることは、憲法第19条に違反していると判断される場合も!ましてや、罰金や給与カット、欠勤扱いなどのペナルティは、労働基準法に違反している可能性が高くなります。労働基準法第16条には、「従業員の労働契約に違反する行為に対して、企業があらかじめ罰金や損害賠償の金額を決めておくことはできない」と記されています。
ただし、常習性があり、何度注意しても改善が見られない従業員に対しては、就業規則に違反している状態になります。予め就業規則に「打刻漏れのペナルティ」について記載し、その内容を従業員が認知しているのであれば、「職場規律違反」と見なし、懲戒処分を行うことは可能です。
対策4 | 勤怠管理システムを導入する
これらの対策では、タイムカードの打刻忘れの頻度を抑えるとこはできても、完全に防ぐことは難しいと思います。最後の砦となるのは、適切な「勤怠管理システム」の導入です。タイムカードの集計作業は時間がかかりますし、人為的ミスも発生します。また、5年間の保管義務があるタイムカードも、クラウド上での管理なら場所も取りません。
勤怠管理にかかる負担が軽減されることで、企業全体の生産性の向上も期待できることでしょう。ここで問題となるのは、「どのような勤怠管理システムを導入すればいいのか?」ということになると思います。
「大企業でもないのに、うちには必要ない」と情報収集すらしていないのなら、まずは「勤怠管理システムで効率化できること」について正しく知ることが重要です。
効率化のすゝめ!勤怠管理システム
2019年に施行された働き方改革関連法により、労働基準法をはじめ、労働に関する様々な法律が改正されました。勤怠管理に関わる重要な改正ポイントをチェックしてみましょう。
・労働時間の正確かつ客観的な把握
・時間外労働の上限規制
・有給休暇の確実な取得
・月60時間を超える残業には割増賃金
・フレックスタイム制の拡充
タイムカード打刻については「労働時間の正確かつ客観的な把握」に直結することもあり、勤怠管理システムを導入する企業が増えているのも頷けます。
では、勤怠管理システムの導入で、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
メリット1 | 勤務状況を正確に把握することができます
全ての従業員が毎日同じように会社に出勤しているとは限りません。直行直帰、フレックス制、コロナ禍以降はリモートワークを実施している企業も大幅に増加しました。特に、リモートワークのように会社で顔を合わせることのない業務形態の場合、始業開始時刻や終業時刻を管理するには、従業員による自己申告に頼らざるを得ません。
総務省による「テレワーク導入手順書」によると、「始業・就業時には電話・メール送付の義務付け」について、「就業規定」に盛り込むようにと記載があります。
管理のしやすさから、LINEやChatWork、slackといったチャットアプリでの報告を義務付けている会社が多いのではないでしょうか。
しかし、このような自己申告制では、報告忘れの心配は拭えません。また休憩時間などの報告は、おざなりになるのは容易に想像できますね。勤怠管理システムでの運用なら、始業や終業の時刻だけでなく、業務状況も把握できるので勤務状況を確実に把握することができます。
メリット2 | 勤務管理の効率化と計算ミス防止
タイムカードでの集計作業は基本手入力。各拠点のタイムカードを集め、給与ソフトなどに人の手で入力する必要があります。時間もかかりますし、計算ミスが発生するリスクもあります。テレワークなどの導入により、チャットアプリで出勤・退勤を管理した場合は、それらの負担やリスクはより大きくなるでしょう。
手作業の工程を省くことができる勤怠管理システムでは、人為的ミスを未然に防ぎ、時間をかけずに勤怠管理を完了できます。
メリット3 | 従業員の作業内容を確認できる
勤怠管理システムを導入すると、業務ごとの作業時間を個別に記録することができるので、タイムカードを押さなくてもお昼休憩や中抜けの実態も把握することができます。従業員にとっても、逐一報告する手間が省けるのが嬉しいポイントですね!
また、隠れ残業の抑制にも役立ちます。例え、上役が指示をしておらず、従業員が自主的にサービス残業を行った場合も、会社は適切な賃金を支払う義務があります。
2023年4月1日に施行された労働基準法改正では、「月60時間以上の法定外労働において、企業の規模を問わず一律で賃金が50%割増」と定められました。このように、残業の取扱いが厳格化してきていることを踏まえると、勤務状況の正確な把握は、企業のコンプライアンスに関わる重要項目と位置づけるべきです。
実際に、隠れ残業が疑われる時は、上司から部下に勤務状況を尋ねることになると思います。勤怠管理システムによって、客観的に従業員の作業内容やかかった時間を把握することができると、「作業にかかった時間を尋ねて、従業員に嫌がられた」などのトラブルも回避できます。円滑な職場環境を整えるのにも、一役買うことになりますね。
まずはイニシャルコストのかからないものでお試しを!
「タイムカードの打刻忘れ」だけを解決するより、勤怠管理・業務管理を包括的に解決できる方法を選びたい!ここまで読んでくださった方は、そのように感じたのではないでしょうか?
以前の勤怠管理システムはタイムカードの進化版といった印象でしたが、現在はシフト管理や休暇申請なども行えるようになりました。さらに、今注目されている業務管理システムでは、業務全体を可視化することができるなど、生産性の向上にも貢献。気になるコストや導入の煩雑さについても、クリアしているシステムが登場していますので、次で紹介していきます。
業務可視化システム「みえるクラウド ログ」
初期投資無料、安心の月額で利用できる「みえるクラウド ログ」は、アプリをダウンロードするだけで簡単にスタートできます。大手士業セブンセンスグループのセブンセンスマーケティング社が提供しており、使いやすさにこだわったオススメのツールです。
【みえるクラウド ログの主な機能】
・社員のPC起動時間の把握
・社員の業務内容の可視化(PC画面キャプチャ)
・会社や部署、プロジェクト、個々のタスク対応時間や内容の把握
PCの操作ログの記録だけにとどまらず、管理者が整理・管理がしやすいダッシュボードを装備。また、オンラインだけでなくオフラインでも操作ログを取得することができます。
労働時間の正確な把握
全従業員のログイン・ログオフをひと目で把握できるだけでなく、PCの起動状況を記録。起動回数や起動時間の算出により、これまでタイムカードや勤怠打刻システムによって管理していた労働時間を、確実に把握できるようになります。
安全安心のセキュリティ
操作履歴により、いつ、どこで、誰が操作したのかを確認できるようになります。誤操作や入力ミス、情報漏洩や社内ルールの逸脱も早急に把握でき、二次被害を食い止めることができます。
在宅ワーク中の監視
隠れ残業や休日勤務の把握により、労働時間の厳守だけでなく、従業員の健康を守ることにつながります。
タスク内容と対応にかかる時間の最適化
蓄積された定量的なデータにより、メンバーごとの対応時間を可視化。個々のタスクの最適化から、組織全体の業績アップにもつながります。「みえるクラウド ログ」を利用することで、勤怠管理の簡素化のみならず包括的な業務改善が叶います。日報を書く手間や勤怠の報告を省けるので、従業員にとっても便利なシステムとして受け入れられることでしょう。
少しでも気になる時は、無料の資料をダウンロードしてみてください。勤怠管理の問題解決の糸口が、きっと見つかるはずです!