Zoomハラスメント「ズムハラ」|実態と企業が対処すべき管理方法

こんにちは!リモートワークリサーチ編集部です。

皆様は「ズムハラ」という言葉をご存知ですか?新型コロナウイルス感染拡大に伴って、新たな働き方としてテレワークが普及しております。しかしテレワークが普及することで社員にとって事故やハラスメントも生まれました。

ズムハラとは、オンライン会議ツールを自宅で使用することによって、発生する嫌がらせとなります。オンライン会議中に社員が不快な思いや不利益を被り、精神的かつ肉体的なダメージを追うことになりました。今回は、ズムハラに対処するべき企業としての行動をテーマに紹介します。

結論からお伝えすると、ズムハラは企業が社員の業務を適切に可視化、管理しストレスを与えない環境整備を行うことが重要です。本記事では企業が取ることができる対処法も合わせて紹介します。

ズムハラ|Zoomハラスメントとは?

コロナで増加。Zoomハラスメント「ズムハラ」被害の実態と対策 | bizSPA!フレッシュ

ズムハラとは、Zoom等のオンライン会議ツール利用時に、視覚情報を通じて他者に不快な思いをさせるハラスメントのことの略称になります。定義だけだとわかりづらい点もありますので、例を挙げて説明します。

1.オンライン会議ツール使用時に背景に映り込んだ部屋の内装についてコメントする
2.オンライン会議ツール使用時に不適切な発言を行うことや環境を用意すること
3.オンライン会議ツール使用時に自身の容姿や服装についてイジられたりすること
4.オンライン会議ツール使用時に自身の容姿や淫らな服装で相手に不快にさせること

ほんの一例になりますが、以上のようなセクシャルハラスメントやパワーハラスメントがオンライン会議ツールで行われることが発生しています。これをズムハラと名付けています。企業は従業員のテレワーク管理や監視の一環としてオンライン会議ツールを利用することもあります。一方でそのような試みから、オフィスにいる際は人目もあり、表層化していないハラスメントが生まれることもあります。次章では、ズムハラによって事故や裁判につながったケースを紹介します。

ズムハラの実例

ハラスメントの種類と定義とは?最新30種類と職場で特に気をつけるべきハラスメントの注意点

意図せず事故やハラスメントにつながるケースが多い「ズムハラ」ですが、実際に報告にあったケースをみていきます。

ITベンチャーA社

ある企業の開発部門では、フルフレックス&フルリモート体制で業務に従事している。しかし、コアタイムを定めており、11時〜15時の間はオンライン会議ツール(Microsoft-Teams)を接続状態にしておくこととしている。結果的にコアタイム中にトイレに行く際や短時間の休憩を行う際も上司に報告をすることとなり、非常に働きにくい雰囲気が醸成されている。

建築・不動産B社

リモートワークを週に2回程度取り入れている。リモートワーク時は勤怠打刻システムで出勤・退勤を付けるものの、業務時間中の業務内容は従業員本人が任されている。そのため上司から出社時以上にタスクが振られている。また勤務時間の状態が見えづらくなるため、退勤後もタスク処理状況を聞かれてしまい、結果的に長時間労働に繋がっている。

アパレルC社

リモートワークを定期的に取り入れている。オンライン会議ツールの際は、顔出し・ミュートNGとされており、部屋の内装が見える形式で会議を行う。交際をしている同居人もリモートワークのため、背景に映り込むことがあるが、上司から「付き合っている期間」や「相手の特徴」などを詳しく聞かれることとなり不快な思いをしている。

いかがでしょうか?

厚生労働省からも発表にある通り、企業からズムハラが発生した報告が上がっています。しかし表層化していないケースも多いです。ズムハラは通常のハラスメント以上に第三者からは見えづらいためです。以下、ズムハラにあたる例も挙げております。

《ズムハラ事例(パワーハラスメント)》

・通信状況が悪いため、Wi-Fi環境の整備を自費で求められる
・退勤報告をしているが、メールやチャットでの連絡を強要している
・オンライン会議ツールに映り込んだものを指摘する
・ズーム飲み会などの懇親会が定期的に開催され、参加しなければならない
・チャットでの業務報告が遅れたため、サボっていると思われる

《ズムハラ事例(セクシャルハラスメント)》

・オンライン会議ツールの背景に写った外観を見て、最寄駅や住所を聞こうとする
・オンライン会議ツールを利用して、個別ルームでの会話を強要される

・服装や人間関係、容姿について執拗にヒアリングされる
・顔出しやミュート解除を強要される
・自室やリビングなどを見せるように指示を出される

ズムハラは何が原因?

ハラスメントの種類と定義とは?最新30種類と職場で特に気をつけるべきハラスメントの注意点

ズムハラが起こる原因はプライベートと業務時間中の境界線が曖昧になり、ついついプライベートな時間だと勘違いを起こしやすい点が大きいです。特にきっかけになりやすいケースとして挙げられるものは3点あります。

オンライン会議ツール使用中に部屋の中が映り込む

部屋の中に置いてあるものが視覚情報として入ると、上司であっても話題に出してしまうことがあります。信頼関係の維持や向上を目的とし、仕事以外の話を出すために映り込んだ情報から、話題を作ってしまうことがハラスメントに繋がっていきます。

指示や報告が遅延する

職場に出社していると会議や立ち話等で業務の指示だしや業務の完了報告が口頭でも出来てしまいます。しかしリモートワークでは、社内のチャットツールやメール、オンライン会議で確認をしなければいけないため、普段ITツールを利用し慣れていない従業員にとっては確認不足が起こり得ます。また上司も同様に指示漏れが発生するケースが多発します。そのような背景から意図せず、長時間労働や深夜残業、そしてパワーハラスメントの温床となります。

コミュニケーション不足による信頼関係の低下

項目2でお伝えした通り、意識しないとコミュニケーションを取りづらくなる環境のため、帰って世間話やスタッフの表情が見えづらくなります。また業務報告も堅苦しいものになるため、信頼関係が希薄化しやすくなります。信頼関係が希薄化した結果、過度な業務監視によるストレスの蓄積も発生しています。

ズムハラが起こりやすい環境と企業の実態

2022年のハラスメント統計! 日本と世界のデータ比較、国内の法律改正の影響について | ハラスメント | Voista Media

前章までは、ズムハラの原因や実例を挙げてきました。ズムハラが起こりやすい企業の環境には特徴があります。それはリモートワークを取り入れるまでは、オフィス外での業務内容の把握がしづらい体制となっていた企業です。

「新型コロナウイルス感染拡大前は、オフィスで毎日会議を行っていた」「業務報告は会議の中で行われ、進捗も都度口頭で報告するルールとなっている」「毎週月末金曜日は懇親会や飲み会が開催されていたため、人となりを把握していた」「全員がオフィスに出社するため、上司の過度なプライベート介入が是正されている」

全員がオフィスに出社し、業務内容を会議を通じて把握していた企業や、上司とのコミュニケーションを取る際は1対1ではなく1対N人で行われることが多い企業はリモートワーク下においてズムハラが発生しやすいです。次章ではズムハラを起こさないための管理方法を5つ紹介します!

ズムハラを防ぐ!企業が対処すべき管理方法4選

多様化するハラスメントへの対策は「働きやすさ」を前提にした職場づくりがコツ!|オフィスの考え方 アスクル みんなの仕事場

前章ではリモートワーク下で業務内容や業務量の確認をオンライン会議ツールを利用して行うことによってズムハラが生じやすいことを解説しました。では、オンライン会議ツールを利用せずに、信頼関係を維持しながらスムーズに業務内容を把握できる方法をお伝えします!

日報や定時連絡をルール化

多くの日系企業では、日報作成や定時連絡(出勤や退勤)を上司に報告する仕組みがあります。テレワーク中も同様にメールやチャットツールを利用して、決まった時間に定時連絡を行うことをしています。例えば朝、昼、退勤時に以下のような連絡を行います。

・タスク進捗の共有
・休憩時間の共有
・出勤/退勤の報告
・業務遂行時の疑問点や学んだこと

日報も同様に、1日の業務内容や達成状況を報告し、社内で管理する手法です。社員は、退勤前に会社で決められたフォーマットでドキュメントや表計算ソフトに記録を残します。最近では日報専用ツールの導入も見受けられます。

勤怠打刻システムの導入

自宅で行うことのできる勤怠打刻システムや勤怠報告アプリもテレワーク中の監視手法の1つです。社内で統一されたシステムやアプリに個々人でログインし、出勤時と退勤時に勤怠記録を残します。近年では有給取得や忌引きなどの休みも勤怠打刻システムで、申請・報告ができます。

日報や定時連絡と比較し、客観的なデータが取れる反面、業務の遂行状況や内容を記録するわけではありませんので、別途社内でのタスク共有が行われることが多いです。

キーロガーの監視

キーロガーの監視とは、社員がオンライン環境で検索エンジンを使用した際に、パソコン・スマホで検索されたキーワードを取得する手法です。主な監視目的としては会社で貸与したPCやスマートフォンを業務外の意図(私的に)で使用していないかを監視する目的となります。先の手法と比較すると業務全体を監視するわけではないため、セキュリティ対策やサボりのみを監視する側面が強いです。

アクセスログの監視

アクセスログの監視もテレワーク時の業務監視の手法となります。先ほどのキーロガーと比較し、検索エンジンだけではなく、使用中のソフトウェアや、クラウド上のアプリの使用画面を記録する事ができます。アクセスログはPC操作やスマホ操作で取得可能ですが、主には社内のPC操作においてアクセスログを取得します。

アクセスログを記録することで以下のような監視ができます。

・使用中のソフトウェア、アプリの起動時間や終了時間の確認・監視
・チャットをしていた時刻や相手(又はグループ)
・PC操作時のアプリケーション毎の打刻数やクリック数
・特定のPC操作における制御(文書の印刷やファイルの移動等)

これまでの手法と比較すると社員のストレス負荷が低く、客観性も高いです。

いかがでしたか?ここまでの解説を表にまとめました。

監視手法 内容
日報・定時報告のルール化 タスク内容と達成状況の報告
勤怠打刻システム 出勤・退勤状況の確認
キーロガーの取得 キーボード打刻内容の記録
アクセスログ PC操作等の記録や制御

ズムハラを起こさないためのおすすめツール「みえるクラウド ログ」

リモートワークリサーチが推奨するツールは「みえるクラウド ログ」です。「みえるクラウド ログ」は、社労士事務所を持つ、大手士業セブンセンスグループのセブンセンスマーケティング社が提供しています。「みえるクラウド ログ」によって解決できることは隠れ残業の可視化と軽減に繋げる定量的なエビデンスを揃えることができます。

《みえるクラウド ログの主な機能》

・社員のPC起動時間の把握
・社員の業務内容の可視化(PC画面キャプチャ)
・会社や部署、プロジェクト、個人ごとのタスク対応時間や内容の把握 

みえるクラウド ログはPCの操作ログを記録するだけではなく、操作ログを整理し、管理者にとって判断がしやすくなるダッシュボードを展開しています。*オンライン / オフライン問わず、操作ログを記録することが可能なため、Office365のようなオフライン環境下で編集ができるソフトも操作ログを取得します。=オフライン環境下での隠れ残業を防止

主な機能を解説します!

正確な労働時間の可視化・把握

全社員のログイン・ログオフをひと目で把握 できるようになる。また、PCの起動状況を記録に残し、起動回数・ 時間の算出が可能。これまでタイムカードや勤怠打刻システムによって労働時間を管理していた社内体制以上に客観的かつ漏れなく業務時間を把握できます。

セキュリティ対策

操作履歴で「いつ、どこで、だれが」操作したか 確認できるため、誤操作や管理ミス、二次被害 も防止できる。また、現在の作業内容も記録される。テレワークが普及したことで、自宅環境での情報漏洩や社内ルールの逸脱を防ぎます。

テレワーク中の監視の対策

時間外の稼働状況や休日出勤を把握し、社員の 健康への影響をストレスの蓄積を未然に防ぎます。

テレワーク時のタスク内容と対応時間の管理

これまでの1〜3の機能で蓄積された定量的なデータにより、プロジェクトやツールに対してメンバーごとの対応時間がみえる。結果として、部署、プロジェクト、役職・役割(社員)別にタスクの最適化が図れるようになり、組織全体の改善につながります。

タスク内容と対応時間の記録を蓄積させることで以下のようなメリットを得られます。

・特定タスクにおいて得意・苦手な社員を把握できるため、役割分担の判断材料となる
・土日の休日残業や平日の深夜残業を把握し、勤怠システムとの乖離を可視化できる
・残業をした社員を特定するだけではなく、残業の内容を把握し、是正できる

いかがでしたか?“PC操作ログを活用した社員のタスク内容の可視化を行うことができれば、ズムハラも起こることはありません。” 少しでも興味をお持ちの担当者様やクライアントの皆様は、ぜひ無料資料のダウンロードください。在宅勤務時の環境整備からテレワーク時の監視まで一から進め方を説明しております。

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